都市計画法と建築基準法とは?
◆不動産の購入には、この二つの法律が最も重要である事は言うまでもありません。ではいったい、どん
な法律なのでしょうか?
1. 都市計画法とは何か?それは、ズバリ住み良い街づくりを行うための計画です。それでは、住み良い
街づくりはどこで行うのでしょうか?その場所とは都市計画を実施する場所の事を指し、その場所の事を
都市計画区域と呼びます。この区域の指定は原則、都道府県が行いますが二つ以上の都府県にまたが
って指定する場合には、国土交通大臣が行う事になっています。また都市計画区域ほど法令で厳しく制
限はしませんが野放しにする訳にもいかない場所もあります。そこで、この様な場所を『準都市計画
区域』に指定しています。この区域の指定は市町村が行います。またこの『都市計画区域』
『準都市計画区域』のどちらでもない場所を『両区域外』といい、日本の国土はこの3種類に分けら
れています。
2. 都市計画区域が指定されると次に行う事は区域区分で線引き作業です。具体的には『市街化区域』・
『市街化調整区域』に分けますが線引きしないケースもあって、この区域の事を『非線引き区域』といいま
す。『市街化区域』とは、すでに市街地を形成している区域・および、おおむね10年以内に優先的、計画的
に市街化を図るべき区域とされ、『市街化調整区域』とは、市街化を抑制すべき区域のことです。『市街化
調整区域』では、原則として建物の建築や宅地開発は禁止されています。
3. 前述した『市街化区域』ですがこの区域には建築や宅地開発等は原則として可能ですが、建物の用
途を制限する『用途地域』を必ず定めることとされています。また『市街化調整区域』ではこの制限は定め
ないとされ、『非線引き区域』には定めることが出来るとされています。『用途地域』とは12種類あって、こ
の用途の規制により住み良い街づくりが行われるわけです。
◆用途地域◆
①第一種低層住居専用地域/ 低層住宅のための良好な住居環境を保護する地域です。
②第二種低層住居専用地域/ 主として低層住宅のための良好な住居環境を保護する地域です。
③第一種中高層住居専用地域/ 中高層住宅のための良好な住居環境を保護する地域です。
④第二種中高層住居専用地域/ 主として中高層住宅のための良好な住居環境を保護する地域
です。
⑤第一種住居地域/ 住居環境を保護するための地域です。
⑥第二種住居地域/ 主として住居環境を保護するための地域です。
⑦準住居地域/ 道路の沿道としての地域特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ住居との
調和を図るための地域です。
⑧近隣商業地域/ 近隣の住民に対する日用品の供給主たる内容とする商業その他の業務の利便
を増進するための地域です。
⑨商業地域/ 主として商業その他の業務の利便を増進するための地域です。
⑩準工業地域/ 主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するための地域
です。
⑪工業地域/ 主として工業の利便を増進するための地域です。
⑫工業専用地域/ 工業の利便を増進するための地域です。
建築基準法とは?
1. 建築基準法とは何か?それはズバリ火災などの災害の問題や交通問題、あるいは日照問題を回避
する為であったり環境の保護などを目的としていますが、とりわけ火災の延焼防止を意識した法規制
です。
2. 建築基準法の規定には『集団規定』と『集団規定以外』及び『単体規定』があります。
■集団規定・・・都市計画区域と準都市計画区域内にのみに適用されます。
*12種類の用途地域には、いったいどんな建物を建てて良いかという規制です。 ⇒用途規制!
*建築基準法の『道路』といって、幅員4㍍以上(特定行政庁が指定する区域では6㍍以上)の道に原則
2㍍以上接道がしていないと、建物を建ててはならないという規制です。 ⇒道路規制!
*火災を防ぐために都市計画区域内には、耐火建築物にしなければならないという一定の対象となる
建築物の他、耐火建築物か準耐火建築物にしなければならないという一定の対象となる建築物があ
り、その区域を指定します。 ⇒防火・準防火地域!
*建築物はその規模を無制限に認めると火災等の災害問題をはじめ多くの問題が発生しかねません。
そこで都市計画区域内での建物の規模を規制しています。 ⇒建ぺい率と容積率!
*第一種・第二種低層住居専用地域では、建物の高さは原則10㍍または12㍍以下でなければならな
いとされています。 ⇒絶対高さ制限!
*地面から一定の基準で斜線を引き、建物はその斜線の中におさまる様に建てなければならないとさ
れています。 ⇒斜線制限!(北側におけるもの/隣地におけるもの/道路におけるものの3種類)
■集団規定以外及び単体規定・・・全国のすべての建築物に適用されます。
*建物を建てるに当っては様々な法令上の制限があり、違法建築とならないように、一定の範囲におけ
る場合において、建築前に建築主事(または指定確認検査機関)の確認を受けなければならない事
にっています。 ⇒建築確認!
*建築基準法という様々なルールは国が作った法律ですが、それとは別に住民が一致団結して建物の
用途等について独自のルールを作れる事になっています。もちろん勝手に作れる訳ではなく、一定の
区域に限った場所において、特定行政庁の認可を受けそれが受理された場合です。
⇒建築協定!
*高さが20㍍を超える建物に当っては避雷針を取り付けなければなりません。
*木造等で延べ面積が3000㎡を超える建物の主要構造部に木材やプラスチック等を用いる場合には、
一定の耐火性能が必要とされます。
*高さが31㍍を超える建物に当ってはエレベーターを付けなければなりません。
*大規模建築物で、ある一定の範囲の建築物に当っては構造計算により安全性を有するものとしなけ
ればなりません。
●まだ他にも細かい規制がありますが、主なものをご紹介させて頂きました。
※何かご不明な点やご質問がございましたらお気軽にご相談下さい。